【宅浪は失敗する?】経験者が感じた自宅浪人のメリット・デメリット
大学受験に失敗して浪人になったときの絶望感はとても大きいものです。
失敗した直後の悲しさや悔しさはもちろんのこと、周囲が大学生になって充実した毎日を送っているのに、自宅で勉強をしなければならない虚しさは非常に苦しいものです。
今回は、私の経験をもとに自宅浪人のメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
宅浪を選択する理由は?自宅浪人しかない家庭もある
大学受験に失敗し、浪人するとなった場合、予備校を検討する方が多いのではないかと思います。
実際に、予備校に通えば、主に次のようなメリットがあります。
- 志望大学の傾向に合った受験対策ができる
- 勉強でわからない点があったら誰かに教えてもらえる環境にある
- 自習室を設けている予備校が多く勉強に適した環境を提供してもらえる
現役生のときから予備校に通っていた方の中には、「そんなの当たり前じゃん」と思うひともいるかもしれません。
しかし、当たり前に勉強を教えてもらえ、当たり前に自習ができる環境があることは、実はとてもすごいことなのです。
予備校に通うのではなく宅浪した理由
私自身が宅浪することになったのは、お金の問題があります。
私は姉・兄・妹の4人兄弟でした。
姉は社会人になっていたものの、兄は私立の理系大学に通い、妹はスポーツのプロ選手を目指していたため普段の練習や遠征費用などでお金がかかっていました。
また当時、母が身体的な疾患を抱えていたため手術のため仕事を2か月ほど休職、また妹も膝の靭帯を切ってしまったため手術を繰り返していました。
こんな状況で家計が苦しいのも何となく気づいていたので、「色々お金がかかっているときに予備校は入れない」と思い自宅浪人を選択しました。
とはいえ、「お金がないから」という理由で4年制大学への進学を諦めろといわれなかったことや、親が文系私立大学の進学を了承してくれたので、そこに関しては今でも感謝しています。
家庭の状況はひとそれぞれですが、私のように「家にお金がないから」という理由で自宅浪人をする方は少なくないと思います。
とはいえ親に何もいわず、「お金がないだろうから」と自分だけで決めて予備校を通うのを諦めるのは良くないと思います。
予備校に通いたいと強く思う場合には、真摯に親と向き合って訴えることが大切です。
きちんと自身の親に伝えた結果、あなたの本気度を見て「予備校の費用なら出せる」と通えることもあるかもしれませんし、結果通年で通えなかったとしても、夏期講習や冬期講習などなら通わせられるといってくれるケースもありますので、自己完結しないようにしましょう。
経験者が思う宅浪のメリット
私自身、宅浪の経験を通して感じたメリットは、次の2つです。
- 費用がかからない
- 勉強に注力することができる
費用がかからない
自宅浪人のメリットは、なんといっても費用がかからないことです。
私が宅浪中に支払った費用は、大体次のようなものです。
- 英語・国語・世界史Bの参考書代:20000円~30000円程度
- 第1、第2希望の赤本:5000円程度
- 4回分の模試の費用:28000円
- 第1、第2希望、滑り止めの一般入試代:105000円
- 英字新聞:180円(月4回程度)×12 8640円
総額で大体150000円強の出費でした。
私の場合、これらの費用をバイト代で賄っていたので、参考書代などはかなりケチっていました。
参考書を選んでいた基準は、出題される問題が難しいこと、問題数が多いこと、代金が安いことの3つでした。
英字新聞に関しては、長文読解のために大体週に一度のペースで購入し、1週間かけて隅から隅まで読んでいました。
また、私の第一志望の大学の一般入試では、英語の長文を英語で要約する問題が出題されていたので、そちらの練習もしていました。
勉強に注力することができた
宅浪したメリットとして、勉強に注力できたことがあります。
勉強に注力できた理由として、「もう後がない」、「大学にいけなければ自分の人生大きく変わってしまう」不安と自分自身を追い込んだからです。
後がなければ必死に食らいつくしかありませんので、これまでの人生でないくらい勉強しました。
自分自身に追い込みをかけて勉強することは、決して精神衛生上良いものではありません。
しかし私の場合、結果として勉強に注力することができました。
経験者が思う宅浪のデメリット
宅浪を経験した者として、率直にいうと自宅浪人はメリットよりもデメリットの方が大きいです。
特にデメリットだなと感じたことを紹介していきたいと思います。
- 生活リズムを自分で作らなければならない
- 受験へのモチベーションを持ち続けなければならない
- 人間関係が悪化する
- 受験情報を自分で収集しなければいけない
- 長時間勉強できる場所を確保する必要がある
生活リズムを自分で作らなければならない
宅浪のデメリットとして生活リズムを自分で作らなければならない点です。
現役生であれば高校があるので、生活リズムを維持することができます。
また予備校に通う場合でも、授業を受けるため、ある程度の生活リズムを作ることができるでしょう。
しかし宅浪の場合、「○○をしなければならない」という制約がないので、勉強するのも何をするのも自分自身の思うまま自由です。
自由といえば聞こえはいいですが、要は自己管理を徹底しないと、勉強するルーティンを作り出すことができないのです。
私の場合、生活リズムを作るために早朝6時から9時までコンビニでバイトしていました。
1日のスケジュールは次の通りです。
■宅浪のときの1日のスケジュール
5時
起床
6時~9時
コンビニでアルバイト
9時過ぎ~21時
公共の無料で利用できる自習室で勉強
21時過ぎ~22時
風呂・食事
22時~23時半
自宅で勉強
24時
就寝
これに付け加えると、宅浪のときには勉強するときには携帯の電源を切って一切確認しないことを徹底していました。
携帯を確認するとつい返信したくなったり、いじりたくなるので極力触ることをしませんでした。
かなり徹底しないと、なかなか生活リズムが作れないのは大きなデメリットといって良いと思います。
受験へのモチベーションを持ち続けなければならない
自宅浪人のデメリットとして受験に対するモチベーションを自分でどうにかして保たなくてはならない点です。
一度モチベーションを無くすと、制約がないので簡単に生活リズムが崩れ、勉強しなくなってしまいます。
私の場合は大学に合格したらやりたいこと、願望などをひたすら書き綴ってました、
後は2,3か月に1度、ダイエットでいうチートデイを作って、なんとかモチベーションを維持していました。
人間関係が悪化する
宅浪のデメリットとして、人間関係の悪化があります。
これは自宅浪人に限らず、浪人にも通じるかもしれませんが、現役で大学に合格したひとたちとの生活の違いがうらやましくなり、嫉妬してしまうことがあります。
私自身も宅浪時代、仲の良い友人の生活がうらやましくなり、八つ当たりをしたり、嫌みをいったりして関係が悪化しました。
また、嫉妬によって衝動的に友人の連絡先を消したりしていました。
こればかりは対策の仕様がなく、結局大学の進学が決まった段階でようやく自分の行動を顧みることができ、謝罪をして元の関係にもどりました。
受験情報を自分で収集しなければいけない
宅浪のデメリットとして、受験に関する情報を自分で集めなければいけない点です。
特に、出題傾向の対策については何度も過去問を解き、なんとなく傾向を掴んで対策していました。
予備校に行けば、もっと深く分析されたものを確認できたり、授業の中で教えてもらうことができるので、大きなデメリットといえます。
長時間勉強できる場所を確保する必要がある
宅浪のデメリットとして、長時間勉強するスペースを自分で確保しなければいけない点です。
自宅に自室があれば、勉強場所を確保することもできると思いますが、住居環境で個室の部屋が無かったり、幼い兄弟姉妹がいるといった事情があったりすると、良い環境で勉強できているとはいえません。
このような場合、長時間勉強できるスペースを確保する必要があります。
図書館や自治体が運営している無料で利用できる多目的施設など近くにあれば良いのですが、ない方もいらっしゃるでしょう。
更に閉館時間が17時など早くに閉まってしまうと、思うように勉強時間を確保できないこともあります。
大人であれば、シェアオフィスや漫画喫茶などお金を支払ってスペースを借りることができると思いますが、浪人生の場合気軽に使うことが難しいと思います。
私の場合、ちょうど宅浪になった年に21時まで開館している公共施設ができたのでことなきを得ましたが勉強スペースの確保は容易ではありません。
まとめ
今回は、宅浪の経験がある私の体験を交え、メリットとデメリットを紹介していきました。
結論からいうと、親がお金を出してくれるのであれば、予備校に通った方が良いです。
お金に余裕がない場合には、親にいくらまでなら出してもらえるのか確認しつつ、足りない分はバイトをして捻出するという方法もありますが、バイトに精を出しすぎてしまい本末転倒になるリスクもあります。
そのため、親に予算を聞いて、たくさんある予備校の費用を比較検討したり、短期講座のみの受講などを考えてみると良いかもしれません。
公開日:2023-12-01 /更新日:2023-12-14