【都立高校の入試の問題傾向は?】入試に頻出する数学の問題を徹底解説!
公立高校の進学を考えた場合、一般入試を利用する方が多いと思います。
一般入試は、各都道府県で問題傾向が異なるのでお住いの地域にあった対策がかなり重要です。
今回は、東京都立の高校入試の数学で頻出する問題を解説していきたいと思います。
東京の高校入試の数学は大問が5つで構成されている
東京都の数学の入試問題は5つの大問から構成されています。
大問1から5まで、どのような問題が出題されているのか確認していきましょう。
東京都の高校入試で、大問1は、ここ数年の傾向としては9個くらいの問題があります。
具体的には、次のような単元の問題が出題されると予想されます。
■大問1
問 | 具体例 | 学習する学年 |
問①正負の数の計算 | 1-3×8÷3= | 中学1年生 |
問②文字式の計算 | 3(2a+3)-5(a-2b) | 中学1年生 |
問③展開とルートの問題 | (√7+3)² | 中学3年生 |
問④一次方程式 | 3(x+4)=6(x-2) | 中学2年生 |
問⑤連立方程式 | 2x+y=8 4x+3y=0 | 中学2年生 |
問⑥二次関数 | 2x²+3x+9 | 中学3年生 |
問⑦確率 | - | 中学2年生 |
問⑧図形の角度を求める問題 | - | 中学2年、3年生 |
問⑨作図問題 | - | - |
※令和3年度~5年度の問題傾向を参考にしています。
大問1の問①から⑥までは、公式を覚えていれば必ず解ける計算問題です。
問⑦については、複雑なものではなく樹形図を利用すれば十分回答できる問題であるか脳性が高いです。
問⑧は、中学2年生の学習する対頂角や錯角、同位角と中学3年生で学習する円周角を利用した問題であることが多いです。
作図は、垂直線を利用する問題や面積を等しくなるように作図するなど、そこまで複雑な問題は出ないことが多いです。
大問1の配点は、問①~⑧は各5点、作図問題は6点になります。
大問1は簡単な基礎問題が出題されるため、数学が苦手な方でも比較的解きやすいです。
そのためできれば全問正解で46点を稼ぎたいところですね。
大問2は規則性を問う問題が出題される
都立高校の一般入試の大問2は2つの関連した文章題が出題されます。
シチュエーションとしては、ある中学校の数学の授業で先生から問題を出題されるというものです。
問①は先生から出題された規則性のある文字式を4つの選択肢から選ぶことになります。
問②は先生から出題されたものを受け、生徒たちが考えた問題の証明問題が出題される傾向にあります。
問②は問①の考え方をある程度理解していれば、証明することができると思います。
証明を解く中で、一部わからない部分があったとしても証明の問題は一部回答が合っていたら、部分点がもらえるので理解できているところまで解く姿勢が大切です。
なお規則性が問われる問題は、1番目からn番目と数の変化があったときに、イレギュラー部分を見つけることが重要になります。
例えば、「5,9,13,17…」と続く数のn番目の数になるのかという問題について考えてみましょう。
連続した数字は4つずつ増えているので、規則性は4nであることが分かります。
1番目の数の5は4に1を足した数のため、n番目の数は4n+1という答えになります。
都立高校の一般入試で出題される問①の問題は、例に挙げた問題よりも難易度が上がりますが、基本的な考え方は同じです。
大問2は、問①が5点、問②は全回答で7点です。
問②は発展問題なのですべて証明しきれない部分もあるかと思いますが、問①については正解しておきたい問題です。
大問3は一次関数か二次関数の問題が出題される
東京都の公立高校の一般入試の大問3は、小問3つで構成され、一次関数または二次関数の問題が出題される傾向にあります。
一次関数が出題されたときの問題傾向
一次関数が出題された場合、問①から③は次のようなことを問われます。
■問① 交点の座標について
問①の問題傾向として、2つの一次関数のx座標、またはy座標を問われる可能性が高いです。
一次関数の交点は、交わった一次関数の式を連立方程式にすると解くことができます。
2つのうち1次関数の式がいずれかが分かっておらず、交点のx座標、またはy座標のどちらかが示されている場合、式が分かっている1次関数の式に座標を代入すれば値を出すことができます。
交点の座標の計算は、関数の基本問題なので正解したいところです。
■問②一次関数の式を求めるような問題
問②の問題傾向として一次関数の式を求める問題である傾向にあります。
い。
一次関数の式は、その関数が通るxyの座標が2つわかっていれば求めることができます。
なお、「2つの式の中点がy軸で2等分になる場合の式を答えよ」のような問いの場合、直角三角形の特徴を用いて解くこともあります。
単純に式を求めるような問題ならば、必ず問題の中に解くヒントがあるので正解できると思います。
■問③一次関数の交点を利用してできる図形の面積などを利用した問題
問③は、一次関数の発展問題です。
座標が○○であるときの三角形○○の面積を問うものだったり、2つの図形の面積の比率が〇倍になるときの座標を求める問題だったりします。
数学の苦手な方にとってかなり難しいと思うので、無理に解こうとせず、時間配分を考えて余裕があるときに挑戦するというスタンスでもよいと思います。
二次関数が出題されたときの問題傾向
大問3で二次関数が出題された場合、問題数自体は一次関数のときと変わらず、小問3つである可能性が高いです。
それぞれどのような問題になるのか確認していきましょう。
■問① y座標の値の範囲を問う問題
二次関数の場合、問①はy座標の値の範囲を問う問題である可能性が高いです。
二次関数のy座標を求めるときの注意点として、傾きを示すaの値のプラスマイナスを確認することです。
二次関数は、xを2乗するので、xの値が正負の数関係なくプラスの値になります。そのため、傾きが正の数の場合、yの最小の値は0になります。
この問題は二次関数の基本問題といえるので、数学が苦手な方でも正解したい問題です。
■問②二次関数の座標を利用して一次関数を求める問題
問②は、二次関数上にある2つの交点を利用して、一次関数の座標を求めるものが出題される傾向にあります。
一次関数は、2つの点のx、y座標があれば解ける問題です。
一見難しいようにも思えますが、二次関数の性質を利用すれば解ける問題なので、こちらも問①同様正解しておきたい問題です。
■問③二次関数の交点を利用した面積や線分の比などを問う問題
問③の問題は、2次関数や比例式、一次関数などを利用して、図形の面積の比や線分の比が○○のときの座標を求める問題であることが多いです。
この問題のポイントとしては、求めたい座標を文字に置き換えて考えることが大切です。
問題で記載されている条件で計算できる一次関数などはすべて計算しましょう。
発展問題ですが、模擬テストでも頻出する問題のため、冷静に考えれば解ける可能性が高いです。
とはいえ、時間が足りないと感じたら、解ける問題を優先した方がよいでしょう。
大問3は各5点です。
正解できそうな問題を優先的に解き、問③が難しければ、ある程度見切りをつけて次に進んだ方が良いでしょう。
大問4は図形に関する問題が頻出する
都立高校の一般入試の数学の大問4は、2つの小問から構成されます。
問①は、図形の知識などを利用して解く角度の問題で、問②は合同や相似を証明する問題である可能性が高いです。
大問4に関しては、捻った応用問題が出題されることはあまりなく、合同や相似などの条件を理解していれば数学が苦手でも十分解ける問題であることが多いです。
証明問題も大問2で出題される証明よりも解きやすい傾向にあります。
問1が5点、証明問題が7点と配点が高いため、点数を稼ぐために正解したいところです。
大問5は立体に関する問題が出題される傾向にある
大問5は、2つの小問から構成されています。
問1は、立体のねじれの関係の知識的な問題、計算する問題などが出題されます。
年度によって出題の難易度が大きく変わる傾向にあり。例年の正解率も低い傾向にあります。
問②に関しても難易度の高い問題が出題される傾向にあります。
問題の内容は、立体の面積や体積を問うものがあり、正解率が1桁台であることもざらにあります。
大問5の配点は各5点です。
配点の割に難易度が高いため、数学が苦手な方は大問5を優先的に解くのではなく、正解できる問題に時間を割いた方が良いでしょう。
まとめ
今回は都立の一般入試の出題傾向を大問ごとに解説していきました。
数学の問題は、証明や作図などの問題を除く、難易度関係なく1問5点の配点です。
大問1の簡単な問題に正解するのも、大問5の正解率が低い問題でも配点は同じです。
そのため、都立の一般入試を受けるときには、数学の問題の構成を確認しつつ、自分の能力で解ける問題を確実に正解するということが大切です。
また、数学の試験時間は50分です。
難しい問題に掛かり切りになって、ご自身が解ける問題に回答する時間が無くなると、ミスする可能性が高くなるのでタイムマネジメントが重要になります。
タイムマネジメントは、試験本番で時計を確認するだけでは身につかないので、日ごろ過去問を解くときや模擬テストを受けるときに意識して本番に備えると良いでしょう。
公開日:2024-02-06 /更新日:2024-02-06