中学生の塾選びはコレで完璧!選定のコツやベストな時期を徹底解説
小学校とは大きく生活環境が変わる中学校。部活も始まり勉強時間の確保が難しくなります。学習面が不安な中学生の親御さんは通塾を検討する人も多いですが、「いつから塾に通わせるべき?」「どの塾にすればいい?」「塾って高いの?」など、不安も多いですよね。
そこで今回は、中学生の塾選びについて解説。塾に通うタイミングや塾選びのコツをご紹介します。
中学生は塾に行くべき?通塾割合をチェック
平成30年度「子供の学習費調査」から、塾に通う中学生の割合を見てみましょう。
公立中学で約7割、私立中学で約6割が塾に通っています。近年では通塾するほうが圧倒的に多数派です。
通塾していなくてもしっかり家庭学習できていれば問題ありませんが、学習習慣がないと周囲と差が開いてしまいます。学習状況や子供の成績を見直して、必要なら通塾を検討しましょう。
中学生が塾に入る時期はいつから?的確なタイミング
学年別の通塾率を見ると、学年が上がるごとに塾に通う生徒が増えています。公立中学の3年生は約8割と、ほとんどの生徒が塾に通っています。
また、中学1年生の段階でも約6割が通塾していることからわかるように、早い段階で学習塾の必要性を感じている家庭が多くあります。
続いて、中学生が塾に入るタイミングについて解説していきます。
【中学1年生】
1年生のうちから塾に通うと、苦手克服や勉強習慣の定着にじっくり時間を使えるのが一番のメリットです。
また、高校受験では内申点を重視する学校も多く、中1からの成績が入試結果に影響することもあり得ます。そのため、中1の段階で大まかでも高校の志望校を設定し、目標の成績を目指すことが大切です。
小学6年生の終わりころから塾に通い始めると、新しい生活環境や難しい授業に余裕を持って臨めます。特に入学後に大きな影響を受けるのは部活動と定期テストなので、注意が必要です。
中学1年生のつまずき科目は後半の数学・英語です。徐々に難しくなる内容に苦手意識を持つ子供が多いので、子供の成績の変化によく注意しましょう。
【中学2年生】
中学2年生は中だるみしやすい時期。学校生活にも慣れ、部活動も忙しくなるので勉強時間が少なくなりがちです。塾に通うと、勉強習慣が身について中だるみを防げるメリットがあります。
中学2年生から塾に通わせる場合、目的を意識させるのが大切。「受験の準備」「勉強習慣をつける」など、塾に通う目的を子供とよく話し合ってから通塾させましょう。
【中学3年生】
この時期から塾に通うのは、高校受験対策が目的の生徒が多いです。1〜2年生から塾に通う子供と競うことになります。
中学3年生は部活が終わり、子供の意識が受験モードになる時期です。部活を引退してから通い始めるのではなく、3年生初めごろから徐々に塾に通わせると、スムーズに受験対策に移れます。
3年生から塾に通う場合は、受験まで日数が少なく、できることも限定されます。内申点のために定期テスト対策をするのか、これまでの復習をするのか、3年生の学習内容を予習するのかなど、塾で何をするのかをハッキリさせておきましょう。
中学生の塾の選び方!個別と集団の違いを知っておこう
塾の形態は大きく分けて「個別指導塾」「集団塾」の2つがあります。
個別指導塾は生徒1~2人に講師1人が指導する少人数制で、集団塾は大勢の生徒に1人の講師が講義する塾で、主に以下のような傾向があります。
個別指導塾 | 集団塾 | |
メリット | ・自分に合った勉強内容の授業なので、苦手科目もじっくり復習できる ・わからないことを質問しやすい ・日程が調整しやすいので、部活動と両立しやすい |
・生徒が多く競争意識が生まれる ・受験までの学習スケジュールが適切 ・受験に関する情報が豊富 |
デメリット | ・費用が高くなりがち ・友だちを作りにくく、競争意識が生まれにくい ・学習速度が安定せず、進行が遅くなることがある |
・一度授業についていけなくなると、そのままずっとついていけなくなる ・活動日が多い部活と両立しにくい ・個々の質問に対応しにくい |
こんな中学生にオススメ | ・苦手克服や得意を伸ばすなど自分に合った授業をしてほしい ・部活も勉強もガッツリ取り組みたい ・高校受験の内申点対策 |
・高校受験の試験問題対策をしたい ・家庭学習の癖がついている ・周りと切磋琢磨しながら勉強したい |
個別指導塾は生徒の理解度に合わせて授業内容を調整できるので、苦手克服に向いています。内申点のために学校の定期テスト対策をしたい場合も、生徒一人ひとりに合った授業をする個別指導塾がオススメ。
集団塾は事前にカリキュラムが組まれているので、各授業の到達目標がわかりやすいのが特長です。高校受験対策なら、ゴールまでの道筋が明確な分オススメといえます。
ただし、授業についていくためには自主学習や積極的な姿勢も必要な点に注意が必要です。
以上を踏まえて、体験授業や説明会で子供の性格や目的に合った塾を見極めましょう。
中学生のオンライン塾って効果があるの?
塾のオンライン授業は近年増加しており、コロナ禍でより注目を受けています。
オンラインのメリット
- ・自宅で受講できるので子供の負担が少ない
- ・ウイルスの感染リスク軽減
- ・近所に塾がなくても受講できる
オンラインのデメリット
- ・生徒のやる気がないと効果が薄い
- ・その場で質問しにくい
- ・通信環境が必須
オンライン塾は子供のモチベーションに結果が大きく左右されます。たとえば、自室で受講する場合、「保護者の目が届かない」「生活環境と学習環境が同じなので、メリハリがつきにくい」などの理由から、モチベーションの維持が難しくなることがあります。
利用を検討するときには、これまでの学習習慣や塾のサポート体制を踏まえて、学習する意欲が高まる環境をつくる必要があります。
オンライン塾は大きく2種類あります。
授業の録画を配信するタイプは、一時停止や早送りを使って自分のペースで学習できます。ただし、生徒の受講姿勢や理解度を把握しづらい場合があるので、心配なときは塾の指導体制を確認しましょう。
リアルタイムで配信するタイプは、講師への質問も可能で対面に近い感覚で受講できます。通信環境が整っていないと音声や画像が乱れるので、環境整備が必須です。
気になる中学生の塾費用!
塾費用の相場について、文部科学省が行った調査を見てみましょう。
1年 | 2年 | 3年 | |
公立中学 | 18万9000円 | 26万円 | 39万3000円 |
私立中学 | 21万1000円 | 25万円 | 29万8000円 |
公立中学3年生の費用が高いのは、受験対策の特別講習費が加算されているからです。私立中学は中高一貫校が多いため、受験対策の講習は受けない生徒が多いです。
週1コマの授業だと月謝の相場は
- 個別指導塾:1万5000円~2万円
- 集団塾:1万円~1万5000円
くらいの差があります。個別指導塾は高額な分、生徒一人ひとりをしっかり見てくれるというメリットがあります。
通塾にかかる費用は月謝(授業料)以外に以下のものが挙げられます。
特別講習費 | 1・2年生:3万円~8万円 3年生:8万円~20万円 |
入塾金 | 1万~3万円 |
教材費 | 1万円/年 |
交通費 | 環境により異なる |
塾の費用を見積もるときは、一番目に着きやすい授業料だけで判断するのではなく、諸経費も含めた年間費用を考えましょう。特に特別講習を受講する場合は、年間の塾費用が大きく変わるので、入塾前に費用の確認が必須です。
塾費用は安ければいいというわけではありません。
まず大切なのは通塾の目的や期待すること(例:個別相談を気軽にしたい、授業の時間外でも質問したい、など)に合った塾を探し、その中から妥当な料金なのかを判断していきましょう。
中学生が塾にかける時間!週何回通うのが適切?
多数派は週2回、中3になると週3日の通塾が最も多いようです。
塾に通う頻度は子供の体力や集中力を考慮して決める必要があります。過度な負担をかけてしまうと、学習効果が薄れる恐れがあるので要注意です。
英語・数学を受講する生徒が多く、それ以外で苦手科目があれば受講というケースが一般的です。英語も数学も一度つまずくと分からないことがどんどん増えるので、早めに苦手を潰しておきましょう。
受講コマ数は、塾の勉強時間と家庭学習時間のバランスを考慮しましよう。
中学生の放課後の学習時間平均は中1~2年で約110分、中3で約200分といわれています。塾の授業時間、塾の宿題の量を考慮して勉強時間が適切か判断しましょう。
もともと家庭学習を十分行っている場合、塾の授業が多すぎるとかえって効率が落ちてしまいます。
中学生は生活リズムが崩れないようにすることが大切。塾が負担になって睡眠時間が減ると、肝心な学校の授業がおろそかになるなど悪影響が出てしまいます。
公開日:2021-03-17 /更新日:2021-03-19