本当に辞めて大丈夫?「塾を辞めたい」と言われたときの正しい対応
塾に通う子供の多くは「塾を辞めたい」と一度は思ってしまうものです。しかし、親としては「通塾がつらいのかも」「塾が合わないだけ?」「やる気がないだけなんじゃ…」などいろいろ考えてしまいますよね。
そこで今回は、子供に「塾を辞めたい」と言われたときの対応を解説。学年別の対応や、実際に辞めるときに準備することなどをご紹介します。
子供が「塾を辞めたい」と言い出したら、説得して引き止めるべき?
まずは子供が「辞めたい」と思った理由を「怒らず」「優しく」聞いてあげましょう。塾に通っている目的を一緒になって確認することも重要です。
並行して塾にも現状や解決策を相談してみてください。その上で、目的達成への道筋を子供と一緒になって焦らず考えていきましょう。
塾を辞めたくなる理由は年齢や環境により異なりますが、
- ・成績が伸びない
- ・塾で人間関係がうまく行かない
- ・部活や他の習い事を優先したい
- ・体力的につらい
などが一般的です。
成績が伸びずに悩んでいるなら、その原因を一緒に考えてみてください。
本人がベストを尽くせていたのか?塾では期待していた指導が受けられていたのか?などを話し合うことで、問題の所在やこれからすべきことがはっきりしてきます。
塾とも連携を取り、自主学習や通塾の仕方について改善できるところがないか相談しましょう。
たとえば、コースやクラスを変更し、授業のレベルを子供に合わせることで、成績の向上が期待できることもあります。成績の目標・期限を確認して、退塾・転塾を判断するタイミングを決めておくとよいでしょう。
ただし、退塾・転塾にはメリット・デメリットがあるので、検討するときには子供の学習習慣や通塾の目的を見つめ直して、慎重に判断することが大切です。
中学受験前に塾を辞めたい小学生
中学受験を目指す小学生は勉強時間が多く、塾を苦痛に感じる子も多いようです。中学受験では学校で教えない応用問題が出題されるので、進学塾に通うのは必須。塾を辞める=中学受験を辞めるということです。お互いによく話し合って、後悔しない選択をしましょう。
頑張りすぎて「受験勉強に疲れてしまった」ケースでは、子供の心のケアが特に大切です。子供との話し合いに並行して、塾と連携しながら、無理のない受験プランや学習スケジュールに切り替えることを検討すべきです。
「勉強が難しくて嫌になった」というケースでは、塾の指導方針が子供に合っていない可能性があります。コースや課題の内容を変更して、子どもの学習進度に最適化してもらうなど、塾とも相談しつつ、対応を考えましょう。
自主学習に不安がある場合は家庭教師の利用も視野に入れ、それでも学習意欲に改善が見られないなら、学習環境を変えることを検討すべきといえます。
進学塾はカリキュラムをしっかり組んでいるので、転塾するとカリキュラムの違いから子供の負担が大きくなります。中学受験を考えるなら、年度途中の転塾はなるべくオススメできません。
塾へ行かないと勉強できないなら、友人が通う塾への転塾を検討する、講師を変えてみるなど、モチベーションを維持する工夫をしてみましょう。
忙しさで塾を辞めたい中2~中3
部活があって勉強も難しくなり、2~3年生頃にはだんだん両立が難しくなる中学生が増えてきます。塾のシステムが部活との両立に向いているかを確認しましょう。
「志望校のランクを落としてでも部活を優先したい」「勉強を優先したいから部活を辞め勉強一本に絞る」といったことを考えるかもしれませんが、子供の未来に関わる重要な判断です。
将来の目標のために必要な志望校ややりたいこと(部活や趣味)の優先度を慎重に判断するために、家庭内でしっかり話し合ったうえで塾に相談しましょう。
中学2年生は中だるみの時期で転塾が視野に入りやすく、受験年の3年生の転塾は特に慎重に行うべきです。
この時期の転塾には下のようなメリット・デメリットがあります。
【メリット】
- ・環境の変化でモチベーションのUPが期待できる
- ・より子どもに合った学習環境を見つけられる可能性がある
【デメリット】
- ・カリキュラムや教え方が変わることで、かえって学習面に悪影響が出る懸念
- ・根本的な問題解決にならない可能性(子供の学習習慣に問題があるなど)
結果が出なくて焦ってしまう?塾を辞めたい高2~高3
塾をやめたい理由が「成績が上がらない」という場合、塾の問題なのか本人の問題なのかを明確にしておきましょう。
基礎ができていないのに塾の指導内容が難しすぎるといった場合は、まずは塾に授業種別(個別・集団・映像など)・コースなどの変更を相談してみましょう。
本人のモチベーションや学習習慣に問題がある場合、塾を辞めたり転塾してもあまり意味はありません。塾を変える前に、まず本人がベストを尽くすことが大切です。
基礎固めや過去問演習が自主学習でしっかりできているかを振り返り、学習進捗の確認が必要なら、塾や予備校に模試の成績などからフィードバックしてもらうといいでしょう。
仮に退塾した場合、独学では環境の整備、モチベーションの維持が難しくなります。
家庭学習に自信があっても、完全に辞めてしまうのではなく、通塾回数を減らす程度にしたほうが、塾のメリットを利用しつつ自主学習が可能になるためオススメです。
塾を辞める前に準備しておくこと
子供や塾と十分に話し合い、退塾・転塾することが決まった場合、辞める前にいくつか準備をしておきましょう。
まず、辞めた後の勉強はどのように進めるのか、どうやって目的を達成するかをしっかり考えておきましょう。
今まで勉強する=塾という認識だったなら、学習環境を整える必要があります。自分の机がぐちゃぐちゃなら整頓したり、図書館の自習室を利用するなら開館時間や休館日のチェックが必要です。
独学で勉強するなら、今後どこで勉強するのかを決めておきましょう。
塾を辞めてしまうと学習サポートが受けられません。学校の先生を頼るのか、家庭教師を雇うのか、親が教えるのかなど、つまづきそうな部分をサポートする方法も確立する必要があります。
転塾する場合、入塾前に体験授業や説明会は必ず受けましょう。「塾の雰囲気が合わなかった」という理由で転塾する場合は特に、同じ失敗をしないために塾選びは慎重に行うべきです。
すぐに塾を辞めると空白期間ができてしまうので、次の塾を決めるまでは辞めずに通っておきましょう。
退塾の意思を伝えるときは、電話で十分。お世話になった講師に直接挨拶するのは問題ありませんが、気まずいと思ったら電話で済ませても問題があるわけではありません。
退塾の申告タイミングは、塾によって異なるので注意が必要です。タイミングを逃すと翌月も月謝を支払うことになってしまうので、事前にしっかり確認しておきましょう。
公開日:2021-03-17 /更新日:2021-05-28